■備前焼とは

■歴史■

備前焼は、瀬戸、常滑、丹波、越前、信楽と並び、「日本六古窯」のひとつとされ、その起源を、古くは紀元
3世紀ごろの塚から出た無釉のやきものに見ることができます。

何世紀ものあいだ、より高度な耐久性を求めて改良に改良が重ねられた結果、現在のような、高い品質と自然美を誇るやきものができあがりました。

江戸時代には、岡山藩主池田光政(1605-82)は、藩の重要産業の一つとして、備前焼を奨励し、保護政策をとりました。光政のこの政策により、さまざまな種類の製品が大量生産されることとなりました。多くの食器は、日本全土へと広まっていきました。また、庶民教育のための学校として建てられ、現在は国の重要文化財に指定されております閑谷学校では、屋根瓦として用いられいる備前焼を見ることができます。幾千年のときを超え、備前焼の伝統は、その窯から立ち上る煙と同様、途絶えることなく受け継がれてまいりました。そして今日、備前焼は、その素朴な土のぬくもりと、高い芸術性により、世界中の人々から愛されているのです。


■特徴■

備前焼は無釉(釉薬を用いない)のやきものです。岡山県備前市の豊かな台地から掘り起こされた備前の陶土は、鉄分を多く含んでいます。成形と乾燥の後、備前焼は、穴釜(伝統的な窯)や登り窯(丘の斜面に作られた、いくつかの小部屋に分かれた窯。一見、階段のように見える。登り窯は、低いところから高いところへと火がまわっていく)と呼ばれる窯に入れられ、約二週間のあいだ、よく乾いた松割木で焼き締められていきます。

備前焼の自然美とその強度は、土と火の融合により生まれたものなのです。


■用法■ 

●花器
として

備前焼は花器に大変適しており、水も腐らず花も長持ちするといわれています。

●酒器として

今日、備前焼が最も多く使われているのは酒器でありましょう。備前焼の陶質が、お酒の味を向上させるといわれています。

●食器として

備前焼は普段使いの食器として今日まで使われてまいりました。備前焼は、和食のみならず、イタリアンやフレンチなどの洋食、またアジアンテイストのお料理にまで広くお使いいただけます。


■備前の色■

●しそ

典型的な備前の土の色で、深い紫色です。

●窯変(ようへん)

火入れの際に、やきものの周りに付着する松割木の灰と炭が、赤、青、灰色などさまざまな色を作り、それらが鮮やかな模様を織りなします。窯変は作り出すのが難しく、それゆえに貴重なものと考えられています。

胡麻(ごま)

表面に、ごまを散らしたような小さな粒粒の模様のあるものです。高温で焼かれたやきものの上に松割木の灰がとけて作り出した模様です。

●緋だすき

表面に赤みがかったオレンジ色の線を持つものをこう呼びます。火入れの際にやきものとやきものの間に入れたわらが燃えてできた模様です。

●桟切り(さんぎり)

黒みがかった灰青色の模様を持つものです。火入れの最後の段階で、700キロの炭を投げ入れてつくるものですが、この炭の化学反応によって、桟切りの色と模様が生まれます。


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